近年、美容室やヘアケア商品のキャッチコピーとして髪質改善というワードをよく目にするようになったと思います。
しかし髪質改善と聞いても実際にどんなことをするのか、どんな効果が得られるのかわからない方も多いかと思います。
この記事では、髪質改善とはどういう目的でどのような効果があるのか、その種類にも少し触れながら解説していきます!
髪質改善とは
そもそも髪質改善とは髪を艶のあるしなやかな髪に魅せたり髪を扱いやすい質感へと導くために行うメニューや商品を打ち出すのに近年マーケティング目的で用いられることが多い俗称になります。
後述もしますが、髪質改善という打ち出し方で様々なやり方のメニュー施術や商品がありますが、事実上の縮毛矯正や従来のトリートメントにも用いられている場合もあります。
髪質改善とは、「髪質改善といえばこのようなことをします」といった定型がなく、髪を美しく魅せたり、扱いやすくするために様々なアプローチの仕方があります。
髪質改善の種類
髪質改善と謳われて行われている美容室のメニューでは一部参考程度に下記のようなものがあります。
- 酸熱トリートメント
- 縮毛矯正(酸性も含む)
- システムトリートメント(〇ステップトリートメント)
- ヘッドスパ
ざっくり分けると上記のようなメニューで髪質改善と謳われることが多く、お客様の髪と施術の相性や美容師の技術・知識、商材のスペックでもより細分化できてきます。
酸熱トリートメントや酸性ストレートのメニューはここ近年出始めているメニューで、まだあまり認知できていない方もいると思うので軽く触れておきます。
酸熱トリートメント
酸熱トリートメントとは、酸性のトリートメント成分とそれらの熱反応を利用したトリートメントです。
一般的にトリートメントとして認知されているPPT(ケラチン)やCMCなどの成分を髪に補修するものと違い、クセを多少和らげるものや架橋作用を施して髪を補強したり、シリコン剤でコーティングするのとは違った手触りの良さを作ったりするトリートメントです。
酸性のトリートメント成分というのも様々なものがあり、各々に特徴が違います。
縮毛矯正など一部アルカリ施術と相性が悪いものもあったり、繰り返し継続することで効果を発揮したり持続するものや、逆に過収れんを起こして髪が硬くなったり熱処理でのタンパク変性の原因になったりとメリット・デメリットがあるので、やればいいというものでもありません。
酸熱トリートメントが出始めた当初は薬剤知識や経験のある美容師も少なく、デメリットによる事故というのも多くあったようですが、最近では酸熱トリートメントの改良や情報も進み、そのようなことも減ってきてはいます。
トリートメントとはいえ、技術と知識の伴う施術なので、興味のある方は知識と経験のある美容師に相談してみましょう!
※酸熱トリートメントは縮毛矯正のように施術した部位への効果が半永久的に継続するものではありません。
また、うねりが強い方への施術でクセが真っ直ぐに伸びるということは期待できないと思ってもらった方がいいです。
酸性ストレート
酸性ストレートとは、文字通り酸性域で効果を出す縮毛矯正です。
従来の縮毛矯正はアルカリ域で薬剤を働かせるものなのですが、なぜ酸性にする必要があるのかというと、エイジングした髪やダメージが激しい髪に対してアルカリ剤が触れると髪が膨潤し還元剤が作用する前に髪の体力が限界を迎えてしまったり、作用しすぎて過軟化してしまい切れ毛やビビり毛の原因になってしまいます。
髪のダメージが激しい方がパーマや縮毛矯正を断られるのはこのようなリスクがあるからです。
酸性域であれば膨潤することはないので、ダメージ毛に対してもアタックできる縮毛矯正として、徐々に幅を利かせてきているメニューです。
しかしこれにもリスクはあり、簡単な技術ではないので、技術と知識がある美容師に相談する必要があります。
これを髪質改善と捉えるかは美容師によって賛否両論あり、トリートメントと捉えるよりかはダメージが原因で断られてきた方でもできる縮毛矯正と捉えてもらうのが一番近いかと思います。
まとめ
あくまで髪質改善というワードはキャッチーな宣伝文句であって全てに一貫した効果効能があるわけではありません。
また、具体的にどのような施術をするかでそれぞれにメリットやデメリットもあるということと、根本的な髪質が改善するわけではないのは覚えておいてください。
しかし、それらの施術を継続することで以前より髪が扱いやすく綺麗に見える状態になって、そこに価値を感じている方も多くいらっしゃいます。
どんどんお客様の要望や施術方法も多様化・複雑化していく中で我々美容師はその都度わかりやすいように見える化していく必要があると考えていますし、お客様も賢い消費者になることや信頼できる美容師との関係を築く必要があるのではないでしょうか。
髪質改善という言葉から受け取る印象で判断せず、それぞれがなんなのか冷静に見極めましょう。
わからない場合でも、信頼のおける美容師に相談して教えてもらうのもいいでしょう。