皮膜毛というのをご存知でしょうか?
皮膜毛とはシリコンなどのコーティング剤が髪の表面に皮膜を形成した状態の髪のことを言います。
皮膜毛自体はなにも恐れる必要はなく、一般的なトリートメントなどのヘアケア剤のほとんどにシリコンは入っているので、それを避けることは難しく、そもそも恐れて避ける必要もありません。
しかし、ヘアケアの方法を誤ったが故にごく稀に過度な皮膜毛になっている人や不便は感じてるけどそれが皮膜によるものと気づいていない方もいます。
僕は素髪を綺麗にすることを大切にしている美容家なので、継続的に通われていてご提案させていただいてるお客様で過度な皮膜毛の方はいませんが、ごくごく稀に新規の方で見かけることはあります。
この記事では、皮膜毛について解説していきます。
過度な皮膜毛の特徴
過度な皮膜毛による悪影響は以下の通りです。
- 髪が乾かない
- 美容室での施術に支障が出る(カラーが染まらない・パーマがかからない)
- コテで巻いたカールが取れやすくなる
- シャンプーが泡立たない
- 重たい質感になる
このような状態になっている方のヘアケア習慣でよくあるのが、シリコン剤の過剰使用や皮膜が強い商品の使用、すすぎがあまいことです。
- シリコンシャンプーの使用
- コンディショナー・トリートメントの使用
- ヘアマスク・ヘアパックの使用
- ヘアオイルの使用
- スタイリング剤の使用
過度な皮膜毛の方はこれら全てを取り入れてることも多く、特に剛毛・多毛・クセ毛の方が髪が膨らむのを抑える目的でヘアケアとしてこれら全てを多量に使用していることが多いかもしれません。
これら一つ一つは決して髪に良くないことではないのですが、やっていることは全て髪の表面にシリコン剤をコーティングしていることと同義なので、シリコン重合して過度な皮膜毛になってしまっているということです。
良かれと思ってヘアマスク・ヘアパックを毎日使っているのも要因の1つです。
市販で流通しているヘアマスクは吸着性の高いシリコン剤が多く、週に1〜2度の使用を推奨されているものがほとんどですので、使っているヘアケア剤の使用頻度も守りましょう。
「週に1度の贅沢なヘアケア習慣」などと謳われていると、さもたまには良いものを使ってあげましょうのように聞こえますが、毎日使うと支障が出るからということなので気をつけましょう。
対処法
そもそもは、正しいヘアケアをしていただくことが大前提です。
その人に合ったケアの方法は、どういう状態からどういう風にしていきたいかで人の数だけあるので、美容室でご相談ください。
もう既に過度な皮膜毛に悩まれている方の対処法は
- アルカリ性の処理剤で除去する
- 重曹を加えた水溶液で除去する
- ヘアケア剤を変える(ノンシリコンのもの)
- ヘアケアの方法を見直す
- すすぎはしっかりする
過度に皮膜したシリコンを取り除くのは、なかなか容易ではありません。
お家でも取り入れられる習慣や方法として、すすぎはしっかり行いましょう。
※過度な皮膜毛を一度のすすぎだけ改善することはむずかしいです。
美容室で相談した上で、ご使用のヘアケア剤も見直してみることをおすすめします。
まとめ
以上のことから1つだけ勘違いしてほしくないのが、決してシリコン系のヘアケア剤がよくないと煽る内容ではないということをご承知ください。
シリコン剤は髪や皮膚に有害なものではなく、必要な場面では重要な役割を担ってくれるものなので、用法・容量を守って正しい使い方で効果的に使っていただきたいという風に思います。
各々の髪質や状態に合わせたケアをすることをおすすめします。