この髪色したいです!
ブリーチしないとその髪色にならないですね〜
でもこれ「#ブリーチ無しカラー」って書いてますけど…
美容室でこのようなやりとりになったことはありませんか?
インスタやwebのスタイル写真で見たような透明感のあるヘアカラーをブリーチしないでできるならやってみたかったけど、結局ブリーチしないといけないと言われ断念…。
実はこれにはスタイルを発信している美容師側の意図とそれを見た一般の方の受け取り方に相違があるんです。
この記事では、その辺のモヤモヤを解消すべく、透明感のあるカラーにするにあたっての仕組みにも触れていきながら解説していきます!
透明感のあるカラーにする条件
カラーのトレンドである“透明感”とか“外国人風”というニュアンスを表現するために必要な数ある手段の1つとして「ブリーチ」というのがあります。
ブリーチというのは主に髪に含まれる色素「メラニン」を削るために用いられる薬剤です。
なぜ透明感のあるカラーにするためにブリーチが使われるかというと、ヘアカラーはアンダーメラニンに左右されるという特性があるからです。
アンダーメラニン(以下アンダー)というのは、染める直前の髪の色素量。
簡単にいうと元々の髪の明るさがどれくらいなのかということと思ってもらえればいいです。
なぜアンダーに左右されるかというと、例えば白い画用紙、黒い画用紙、茶色い画用紙にそれぞれ色のついたペンで書いたときに見え方が違うのを想像してもらうとわかりやすいです。
この場合の画用紙は髪の毛、ペンはカラー剤です。
白い画用紙に書いた方が鮮やかで、茶色い画用紙だと濁って見えるのが想像できるかと思います。
ざっくり説明すると、ヘアカラーにはこのような色彩の仕組みが含まれています。
ヘアカラーは、アンダーが削れているほど、透明感のあるカラーを表現しやすいということになります。
お客様の中には、ブリーチ無しで希望のカラーにできない美容師に対して技術力を疑う方もいるかもしれませんが、ならないものはならないです。
これはもう原理原則の話なので、人によってどうこうという問題ではありません。
ではなぜ「ブリーチ無しカラーであんなに透明感のあるカラーになってるの?」という疑問を、発信側の視点と受け取る側の視点で紐解いていきましょう。
発信側の意図と見る側の受け取り方
発信側の意図
発信する側がブリーチ無しカラーをしているカラクリは
- 元々ブリーチがしてあったり、アンダーが明るい条件でカラーしている
- ライトナーを使っている
ということなどが考えられます。
今日の施術ではブリーチは使ってないけどアンダーは元々ブリーチされたベースにカラーしていたり、ブリーチ剤は使ってないけどライトナーでダブルカラーしているという裏が隠されていると思って見た方がいいでしょう。
ライトナーというのはブリーチと同じくアンダーを削る薬剤で、ブリーチより明るくならずある一定まで明るくできる薬剤と思ってください。
個人的には少し姑息にも感じますが、発信してる側は、場合によってはブリーチしなくてもいいんだよという意図の発信なのかなと思うようにしてます。
ですが、この何処か不透明さみたいなものが見る側に誤解を生んでいるのも事実です。
見る側の受け取り方
見る側は単純に「ブリーチしなくてもできるんだ」と思うでしょう。
ワンカラーでできると思う分
- 髪が傷まなくて済む
- 色落ちして金髪にならないで済む
- 時間がかからなくて済む
- 料金がかからなくて済む
といった期待を抱く方も多いでしょう。
実際に美容室に行ったらブリーチするハメになったり、希望と違う色で妥協することになった方もいると思います。
こういった思惑のすれ違いが、現場での事故につながっているのかなと思っています。
まとめ
もちろん透明感を出すための要素というのはブリーチの有無だけではなく、求める色味や薬剤のスペック、それを使いこなす薬剤選定など様々な要素があります。
基本的にカラーをを含むすべての施術でお客様毎にやり方はケースバイケースです。
ブリーチをするかしないかに囚われるだけでなく、希望の仕上がりになるためにはどういうことが必要なのかを美容師と直接相談してみましょう。
現代では様々な情報が飽和しすぎて便利な反面、なにが本当でなにが嘘かわかりづらくもなっています。
表面上の見た目にだけ囚われず、本質を見極められる力や情報を取捨選択できる力も必要なのかもしれません。